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はじめに |
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乳酸菌は、整腸作用を初め、血圧抑制やコレステロール抑制など多くの生理効果が期待されている。免疫賦活作用に関する報告も多く、抗腫瘍作用の発現など細胞性免疫の活性化や、抗体産生増強などの液性免疫の活性化など、全身性の免疫機能に対する影響が明らかにされている。さらに、近年では過剰な免疫反応であるアレルギーを改善する可能性が示されるようになり、一層注目を集めるようになった。我々は、抗アレルギー作用を示す乳酸菌を選抜し、ヒト試験における有効性を検証してきた。
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1 アレルギーの急増と発症機序 |
近年、アレルギー患者は増加しており、日本人の3人に1人が何らかのアレルギーをもつといわれている。特に、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)は約2500万人、ダニなどをアレルゲンとする通年性アレルギー性鼻炎は約1500万人にのぼると推定されている。増加の原因は大きく二つ考えられ、一つはアレルギーの原因物質である花粉などのアレルゲンの増加、一つは食生活や環境の変化によるアレルギー体質の亢進である。
ヒトには、外来の異物を排除して生体を守る免疫というシステムが備わっているが、花粉やダニなど本来無害なものに対して免疫系が過剰な反応を起こすのがアレルギーである。異物(抗原)が侵入するとマクロファージなどがこれを取り込み、T細胞に抗原提示する。T細胞は抗原の種類や提示の状況によってTh1かTh2に分化し、Th1は細胞性免疫の活性化へ、Th2は液性免疫の活性化へつながっていく。しかし、アレルギー患者の場合はこのTh1とTh2のバランスが崩れてTh2優位な状態になっていることが多いと考えられている。この状態で、花粉などのアレルゲンが侵入すると、Th2がB細胞を活性化してIgE抗体の産生を促進し、肥満細胞に結合したIgE抗体に再度侵入したアレルゲンが結合して肥満細胞の脱顆粒が起こり、ヒスタミンなどのケミカルメディエーターが放出される。これらのケミカルメディエーターがくしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどのアレルギー症状を誘発する。
乳酸菌は細胞性免疫を活性化、つまり、Th1を活性化することが知られており、Th2優位に偏ったヘルパーT細胞のバランスを改善することが期待できる(図1)。
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