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第三者意見

公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会(NACS)理事・環境委員長 大石 美奈子
公益社団法人
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)
理事・環境委員長

大石 美奈子

NACS:1988年に通商産業省(当時)の認可を得て設立、2011年には消費者団体として初めて公益社団法人化。消費者と企業や行政のつなぎ手として行政の審議会や委員会にも参画している。

評価できる点

本レポートでは、カルピス社の『7つのピース』のひとつひとつで、2014年度の活動をCheckし、その結果を2015年のPlanにつなぐという形になっており、取り組みが毎年一歩ずつ進んでいることがよく分かります。それぞれのピースはステークホルダー※1と社員との対話形式となっているので、コミュニケーションすることの大切さを認識しながら親しみをもって読めました。
また、障がい者の雇用率や育児休職者の職場復帰率など、目標を達成できなかった事項も載せてあることで真摯な姿勢が伝わってきます。ワーク・ライフ・バランス※2の推進、特に女性や障がい者、海外の方が働きやすい職場環境を整えることは、今後ますます不可欠となってきます。難しい目標かもしれませんが、誇りを持って進み続けて欲しいと思います。
酪農家には世界トップクラスの微生物活用技術を活かした飼料用生菌剤を、また、これから発展していく国や地域では健康に関心を持ちはじめた人々へ健康に役立つ飲料≠紹介しており、これらの活動は社会貢献として高く評価できます。その他、アレルギーに関する情報提供、消費者の視点に立った安全・安心の品質管理、季節行事の開催による日本の食文化の継承など、どれも今後とも継続していってほしい取り組みばかりです。

※1 ステークホルダー:民間企業など、あらゆる組織が活動を行ううえでかかわる個人・団体。利害関係者。 ※2 ワーク・ライフ・バランス:仕事と私生活のバランスをとりながら両立すること。

今後期待したいこと

「カルピス」は厳しい品質管理のもと新鮮な生乳から製造されているとのこと、消費者の長年の信頼を得ている所以だと思います。ただ、乳牛はもともと涼しい気候を好む動物です。夏場の暑さ対策のため厳しい経営に陥る酪農家が増えていると聞きます。バター不足に見られたように、原料となる乳や乳製品の確保は今後の大きな課題となるのではないでしょうか。
商品の一生のうち、まずは原料調達の部分、飼料作物や酪農に直接かかわってくる自然環境への負荷を削減するために何ができるのか、事業継続のためだけでなく社会貢献としても考えてみてください。温暖化に対しては、減災を含め適応策が早急に求められています。すでに当たり前のこととして行っている製造や輸送のエネルギーの削減、水資源については節水や排水処理の取り組みなどをもっと消費者に知らせてください。情報提供で消費者の意識や行動が変わり、さらなる社会貢献につながると思います。

乳酸菌のちから

高齢化が最も早く進んだ日本では、個人としても社会全体としても「心身ともに健康で長生きをする」ことが大きな課題となっています。特集にあるように、からだだけでなく心の健康に貢献する乳酸菌、またコミュニケーションのきっかけとなる「カルピス」の果たす役目は今後も広がるでしょう。それぞれの時代で求めるものは変わっても、家族と仲間と楽しく健康に過ごしたいという願いは変わりません。乳酸菌の力、家族を笑顔にする力が研究により解明されつつありますが、昔の人が経験から学び大事に育んできた商品や御社の事業を、今後も発展させつつ次の世代に繫いでいってください。

CSR 担当役員 取締役 専務執行役員 山ア 稔
CSR担当役員
取締役 専務執行役員
山ア 稔

第三者意見を受けて

カルピス社のCSR活動に対し、大変貴重なご意見をいただきありがとうございます。本年のレポートでは、CSR重要テーマ『7つのピース』において、それぞれの活動の継続的な改善を目指し、PDCAサイクルで進捗状況を報告しております。また、社会の声に耳を傾けて企業活動に取り組むことを目指し、レポートでもステークホルダーとの対話を通じ、カルピス社の想いや活動をわかりやすく伝えています。その点について評価いただきましたことは、CSR活動のさらなる深化を図るうえでの励みとなり、今後のCSR推進に活かしてまいります。
一方で「今後期待したいこと」でご指摘いただいたご意見については、課題として真摯に受けとめております。これまで以上に、CSRと事業活動をバランスよく行うことで新たな社会的価値を創造し、持続可能な社会に貢献できるよう努めてまいります。
これからも「カルピス」をはじめとする商品、長年にわたり培ってきた発酵乳や乳酸菌などの微生物を活用する技術≠通じて幅広いステークホルダーの皆さまのご期待に応えるべく、取り組んでまいります。



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